伊奈ヶ湖の「白鳥の湖」と紅葉
休日の午後、伊奈ヶ湖に紅葉を見に行ってきました。
もう日が傾き始めていたので、櫛形山を上り伊奈ヶ湖に向かう途中、何台か下りの車とすれ違いました。
それでも、湖近くの駐車場は満杯。少し上ったところにある南アルプス市の観光施設、エコパ伊奈ヶ湖の方まで行き、5分程待ってようやく車を停めることができました。
今が見頃の紅葉、休日はそこそこ混み合うようです。
駐車場から湖への遊歩道を下ると、小さな湖、南伊奈ヶ湖が見えてきます。
南アルプス市が主催するインスタグラムのコンテストが行われていたせいか、カメラ片手に訪れている人が何人もいました。
ふと気が付くと、どこからか美しい音色が聞こえてきます。
夏に訪れた時には聞こえなかったので、紅葉に合わせてBGMを流しているのかなと思いきや、湖畔で女性がひとりで「ケーナ(南米の縦笛)」を演奏していました。
「コンドルは飛んでいく」「荒城の月」などの美しい調べが、緑深い湖と、錦織なす紅葉とに不思議にマッチしていて神秘的な雰囲気を醸し出していました。
西日射す湖を散策することにしました。小さな湖なので、ゆっくり歩いても15分程で一周できました。
湖にかかるように生い茂っているカエデが赤く染まり、合間から見える深い緑の湖とのコントラストが見事でした。
静かな湖ですので、日の当たる湖面は鏡のように紅葉を映し出していました。
小さな男の子が鯉にエサをやっていると、白鳥が寄って来ていました。
伊奈ヶ湖の白鳥は、山中湖村から贈られた白鳥だそうです。つがいで贈られたようですが、今日は1羽しか見当たりませんでした。
白鳥の湖
北伊奈ヶ湖は、現在改修工事のために水が抜いてあるとのことで行きませんでした。
短時間でしたが、静かな湖畔の紅葉を十分満喫し、帰りに向かいました。
櫛形山の麓まで下ってくると、行きの時には気づかなかったきれいなコスモスの棚田がいくつか並んでいました。
耕作放棄地の田んぼにコスモスや百日草、ソバなどの花の種をまいて花いっぱいにするという地域の取り組みのようで、小さな立て札に「ふるさとを錦で飾り隊」と書かれてありました。
先ほどの紅葉とはまた違ったコスモスのきれいな色合いに、この里山に暮らす人々の温かさを感じ、それと同時に、「隊」という言葉の中に大切な棚田を守っていきたいという意気込みも感じられました。