伊奈ヶ湖の白鳥と紅葉
11月初旬、秋の休日の午後、山梨県は櫛形町にある小さな湖の伊奈ヶ湖に紅葉を見に行ってきました。
すでに日が傾き始めていたこともあり、櫛形山を上って伊奈ヶ湖に向かう途中、何台か下りの車とすれ違いましたが、それでも、湖近くの駐車場は満杯。少し上ったところにある南アルプス市の観光施設「エコパ伊奈ヶ湖」の方まで行き、5分程待って、ようやく車を停めることができました。
伊奈ヶ湖は、10月下旬から11月中旬が紅葉の見頃なので、休日はそこそこ混み合うようです。
駐車場から、湖への遊歩道を下ると、小さな湖「南伊奈ヶ湖」が見えてきます(伊奈ヶ湖は、南伊奈ヶ湖と北伊奈ヶ湖とあります)。
南アルプス市が主催するインスタグラムのコンテストが行われていたせいか、カメラ片手に訪れている人が何人もいました。
伊奈ヶ湖を眺めながら歩いていると、ふと、どこからか美しい音色が聴こえてきます。
夏に訪れた際には聴こえなかったので、紅葉に合わせてBGMを流しているのかなと思いきや、湖畔で女性が一人、縦笛で演奏していました。この縦笛は、「ケーナ」という南米の縦笛のようです。
縦笛で演奏される『コンドルは飛んでいく』『荒城の月』などの美しい調べが、緑深い湖と錦織なす紅葉とに不思議とマッチし、神秘的な雰囲気を醸し出していました。
それから、のどかな西日射す湖を散策。伊奈ヶ湖は小さな湖なので、ゆっくり歩いても15分程で一周できます。
湖にかかるように生い茂っているカエデが赤く染まり、合間から見える深い緑の湖とのコントラストが見事です。
静かな湖で、日の当たる湖面は、鏡のように紅葉を映し出しています。
男の子が、湖を泳ぐ鯉にエサをやっていると、ひときわ目立つ一羽の白鳥が寄って来ていました。
伊奈ヶ湖の白鳥は、山中湖村から贈られた白鳥だそうです。つがいで贈られたようですが、この日は一羽しか見当たりませんでした。
この日は南伊奈ヶ湖の紅葉を散策しましたが、もう一つの北伊奈ヶ湖は、改修工事で水が抜いてあるとのことで行きませんでした。
短時間でしたが、静かな湖畔の紅葉を十分満喫し、帰路に向かいます。
櫛形山の麓まで下ってくると、行きの際には気づかなかった、綺麗なコスモスの棚田が並んでいるのを発見。
耕作放棄地の田んぼに、コスモスや百日草、ソバなどの花の種をまいて花いっぱいにするという地域の取り組みのようで、小さな立て札に、「ふるさとを錦で飾り隊」と書かれてありました。
先ほどの紅葉とはまた違ったコスモスの綺麗な色合いに、この里山に暮らす人々の温かさを感じ、それと同時に、「隊」という言葉の中に大切な棚田を守っていきたいという意気込みも感じられました。