信玄ミュージアムとは(甲府市)
山梨県のちょうど真ん中あたりに位置する甲府市は、2019年で開府500年の節目を迎えました。
こうふ開府500年プロモーション動画
開府と言うと、あまり聞きなれないかもしれませんが、開府とは、「甲斐の府中(政治の中心地)を開く」という意味で、1519(永正16)年、武田信玄の父・信虎が、甲府の躑躅ヶ崎の地に館を移し、周辺を整備。甲斐の府中「甲府」とし、2019年で500年の歴史を持ちます。
この開府500年を記念し、武田信玄の歴史資料館として「信玄ミュージアム(甲府市武田氏館跡歴史館)」が、武田神社前に開設されました。
武田神社は、武田信玄を祀って1919(大正8)年に創建され、境内には、濠や土塁、石垣、古井戸等の遺跡が残り、武田氏ゆかりの刀や扇、有名な「風林火山」の旗などが展示されている宝物館もあります。
甲府駅北口から車で10分ほど(文字通り“武田通り”をまっすぐ進みます)の場所にある武田神社は、歴史が好きな人たちの観光スポットとして人気です。
この武田神社を訪れる前に、武田信玄に関する下調べも兼ね、すぐ近くに開設された信玄ミュージアムに立ち寄るのもおすすめです。
信玄ミュージアム 公式動画
以下、信玄ミュージアムのアクセスや駐車場、展示室の内容などの詳細を紹介したいと思います。
信玄ミュージアム(甲府市武田氏館跡歴史館)[web]
住所:山梨県甲府市大手3丁目1-14[地図を見る]
電話番号:055−269−5030
開館時間:9:00~17:00 休館日:火曜日、12月29日~31日
入館料金:常設展示は無料、特別展示室のみ一般300円(高校生以下無料)
行き方、アクセス
信玄ミュージアムは、甲府駅から向かう場合、徒歩だと40分近くかかるので、バスを利用したほうがよいでしょう。
バスは、甲府駅北口乗り場から、山梨交通の「武田神社」行き、または「積翠寺」行きとなります。
車をご利用の場合は、中央自動車道甲府昭和I.Cから、アルプス通り経由で約30分となります。
駐車場
信玄ミュージアムの駐車場としては、武田神社の参拝者専用駐車場が利用できます。
駐車場は無料で利用でき、大型バスが10台、乗用車が約150台駐車できるスペースになっています。
武田神社の駐車場使用時間は9:00〜16:00です。
この地図には記載がありませんが、信玄ミュージアムは、右下の場所(かぶとやの反対側)にあります。
施設の紹介
展示室
それでは、実際に訪れた際の感想も交えながら、信玄ミュージアムの詳細について紹介したいと思います。
信玄ミュージアムでは、武田信玄に代表される武田氏にまつわる史料や、継続中の発掘調査について触れることができ、大まかな歴史を知ってから武田氏館跡でもある武田神社内を見学すると、より一層わかりやすく当時をしのぶことができるでしょう。
信玄ミュージアムにも、武田神社にも、オレンジ色のベストを着た観光ボランティアガイドの方々がいるので、声をかければ無料で案内をしてくれます。
信玄ミュージアム内には、無料の常設展示室と、有料(一般300円、高校生以下無料)の特別展示室があります。
常設展示室では、甲府を開いた武田信虎に始まり、信玄、勝頼の三代だけでなく、武田氏以降も改修し再利用されてきた館に関する歴史も解説されています。
武田氏の館は、武田信玄が生まれたとされる要害山という山を背に、相川の扇状地の上部に造られました。その地は古くから躑躅ヶ崎と呼ばれ、それが「躑躅ヶ崎館」の由来となっています。
展示室は、なだらかな段々のスペースになっていますが、これは、その躑躅ヶ崎の扇状地を模してデザインされているそうです。
パネル展示では、最初に甲斐の国を統一した信虎の功績や、武田を滅ぼしてしまった三代目として知られている勝頼の時代が実は一番領土が広かったことなど、興味深い歴史を知ることが出来ます。
また、館跡から出土した「かわらけ」という素焼きの盃などが展示してあり、眺めていると、戦に明け暮れた武田の武士たちが、幾度となく勝利の美酒に酔いしれたであろう宴まで想像が膨らみます。
特別展示室では、発掘調査で出土した土器や陶磁器などの他に、“むしろ”で丁寧に埋葬されていた武田騎馬軍団と思われる軍馬の骨格のレプリカも展示されています。
埋葬の丁寧さに、武田氏がいかに軍馬を大切にしていたかが伺えると、ガイドの方が話していました。
更に、一定期間で入れ替わる武田氏ゆかりの貴重な資料も展示してあります。
私が訪問したときは、信虎が甲府に館を移したことが記されている勝山記(戦国時代の年代記)の写本と、武田信玄の直筆とされる書状が展示されていました。
書状を見ると、厳めしいイメージの武田信玄にしては随分端正な文字だなという印象を受けます。
信玄ミュージアムの観光にかかる所要時間は、だいたい30分〜1時間弱くらいでしょうか。
堀田古城園
信玄ミュージアムの奥には、この地で割烹料亭をしていた堀田古城園という昭和初期の古民家がそのまま残存し、自由に見学することが出来ます。
カフェ・レストラン
信玄ミュージアムに訪れた際には、ランチや食事処として、すぐ近くに信玄餅で有名な桔梗屋が経営するカフェ「由布姫」があり、武田氏に因んだユニークなメニューのお蕎麦やスイーツが堪能できます。
由布姫とは、信玄の側室で、勝頼の生母のことです。実名は不詳なため、歴史小説の新田次郎著『武田信玄』のなかでは「湖衣姫」、井上靖著『風林火山』のなかでは「由布姫」と名付けられています。
カフェ「由布姫」には、庭に通じるテラス席もあるので、涼風を感じながらのんびりと食事ができます。
写真にある勝頼の名前を冠したこのお蕎麦は、昔懐かしい濃いめの醤油味に、とろろ昆布と温泉卵のとろみが混ざり合い絶妙な味わいです。
他にも、武田信玄はもちろんのこと、信虎、家臣の山本勘助や、ライバル上杉謙信、今川義元などの名前をもじったメニューもあります。
こちらの写真に映るデザートは、黒蜜にきな粉のかかったソフトクリームに、おなじみの信玄餅と、柔らかいかりんとうのような信玄棒というお菓子がついた「桔梗信玄ソフト+」です。
ソフトクリームに黒蜜きな粉、さらにもっちりとした信玄餅としっとりさくさくした信玄棒が合わさった不思議な食感が魅力(この「+」というのはどうやら信玄餅と信玄棒のようです)の一品です。
営業時間は、9:00〜17:00。日曜も営業。定休日は火曜日となっています(祝日の場合は営業し、翌日休。臨時休業あり)。
電話番号 055−225−3628
以上、武田信玄の歴史を学ぶのに最適の甲府の観光スポット、信玄ミュージアムの紹介でした。