姪との四尾連湖散策
先日、仕事の夏休みで山梨に遊びに来ていた姪と、ドライブがてら四尾連湖(しびれこ)に行ってきました。
四尾連湖は、JR身延線市川大門駅(いちかわだいもんえき)から、県道409号線を上っていきます。市川三郷町の市街地からだと車で30分ほどで着きます。
途中には、静かな集落がいくつかあり、昔懐かしい里山の風景に出会えます。
そのまま車で上っていくと見晴らしのいい景色が広がり、麓には富士川町が見えます。
更に上っていくと「浄身石(じょうしんせき)」というパワースポットがあり、岩の隙間からは清水が流れ出ていました。
車から降り、流れ出る清水に触れてみるととても冷たい水でした。
この清水には伝説があり、その昔、木花咲耶姫(このはなさくやひめ)が富士山の噴火から逃れるために四尾連湖に向かう途中、ここで産気づき、この石に座ってこの水で身を清めたとか。
初めて四尾連湖に行く姪は、この伝説に胸躍らせていました。
さらに車で山道を上っていくと、四尾連湖への案内板が見えてきました。
ここは、標高850m、大畠山の山頂付近。ここから右手に行くと蛾が岳(ひるがたけ)へと登山道が続きます。
四尾連湖へは左手に下って行くと着きます。
四尾連湖の湖畔は、「水明荘」と「龍雲荘」の所有地なので、湖畔に行くにはどちらかに駐車場代400円を支払わなければなりません。
私たちは、「水明荘」の駐車場に車を停めて歩いて湖まで下ることにしました。
下っていくと、木立にはテントがいくつか並んでいて、夏休みの後半をキャンプで楽しむ家族連れがたくさん来ていました。
湖は、夏休みの割には混みすぎもせず、皆のんびり釣りや水遊びなどをして楽しんでいました。
我が家も夏休みの終わりには、よくお弁当を持って四尾連湖まで遊びに来ました。決まって夏休みの終わり頃だったのは、絵日記の宿題をうめるためだったのかもしれません。
ボートに乗ったり、釣りをしたりして遊んだあとは、「龍雲荘」でラムネと味噌おでんを食べるのが定番でした。
そんな昔話をしていると急に味噌おでんが食べたくなり、思わず注文。手作りこんにゃくのプリプリ感と、甘めの味噌だれも昔と変わらぬ味でした。
二人でのんびり湖を眺めながら、木陰のテーブルで頂きました。
少し歩くと「水明荘」があります。
最近「ゆるキャン△」というアニメで四尾連湖がモデル地になり、今まではあまり見かけなかった若者がよく訪れるようになったそうです。
「水明荘」のおみやげコーナーにも、コミック版の「ゆるキャン△」が置いてありました。
四尾連湖には、湖の周りを一周できる遊歩道があり、所要時間は約15分ほど。
散歩するにはちょうどよい距離で、所々キャンプのテントが張ってあったり、バーベキュースペースがとってあったりしました。
この日も盆地のほうはかなり暑い日でしたが、四尾連湖の湖面が心地よい涼風を運び、気持ち良く散策することができました。
この石碑は「ゆるキャン△」にも登場し、主人公の女子高生のひとりが、どうか今夜幽霊が出ませんように、と拝んでいるシーンがあります。
歴史好きの姪は、熱心にその碑文を読んでいました。
龍雲荘側の岸に近づくと、何やらサーフィンのボードのようなものに乗っている若者がいました。
近くにいた人に聞いてみると、若者の間で流行っているSUP(サップ)というウオータースポーツだそうです。
SUPとは、ボードに乗ってオールを漕ぐだけでなく、その上でヨガをしたり、寝そべったり、ペットも一緒に遊んだりできるウオータースポーツで、年配者の自分にもできるだろうかとしばらく眺めていました。
また、近くには建築途中のコテージのような建物があり、南アルプス市の自家農園で育てた食材を使用したランチも頂ける湖畔カフェになるそうです。
ここには、シャワー室も完備され、思う存分SUPを楽しむことができるようです。
バンガローの横には、夏も終わろうとしているのに、まだアジサイが咲いていました。
そうかと思えば、秋の花シオンが咲いていたり、赤とんぼも飛んでいたりして湖に秋の訪れを告げていました。
至る所に桜や楓の木もあり、きっと春も秋もキレイだろうなあと思います。
四尾連湖は、湖が透き通っていて、モーター付きの乗り物が禁止なので湖面はとても静かでした。
夏のささやかな思い出にのんびりとしたひとときを過ごすことができました。